₂₀₀.収益ナシのHPブログで何がやりたい?



 Blogは書きたいから書く。収益など考えたこともない。度々広告代理店風の方から電話で収益化を勧められることもあるが、丁重にお断りしている。
 

新ひだか町ってどこ?

 
 筆者は人口2万人規模の、北海道新ひだか町で営業している社会保険労務士である。

 新ひだか町は『二十軒道路の桜並木』や三石昆布、それに近隣の新冠町・日高町などと並んで軽種馬生産で全国的に有名…と思っていたら、数年前首都圏で「新ひだか町ってどこですか?」と聞かれた。「苫小牧とえりも岬の中間くらい」と答えたら「苫小牧とかえりも岬ってどこですか」ときた。

 ダメ元で「室蘭って知ってますか?」と聞いたら案の定知らないという。《札幌って知ってますか?》とは回答が怖すぎて聞けなかったので、半ばヤケクソで「北海道の西と東を結ぶ直線を想定し、その中間地点から真南に直線を下したとき、その線が太平洋にぶつかる辺りにある町」と説明した。

 筆者も白地図に「全ての都道府県名を書け」と言われたら書けないが(書けるのが普通ですかね?)、白地図に『北海道』と書けない方は『沖縄県』や『東京都』と書けない方と同じくらい少ないはずだ。『北海道』の知名度は抜群だが、新ひだか町があまりメジャーでない地域であることは確かなようだ。

 ちなみにこのときはとっさの思い付きで説明したのだが、後で調べてみると、北海道(離島を除く)の東西の端は
 

   最東端    根室市納沙布岬    東経145°49′03″
   最西端    せたな町尾花岬    東経139°45′56″
 

となっているので、中間地点は       東経142°47′29″   になる。

 新ひだか町は東経142°20′04″から142°53′28″にわたって存在しているので、たしかにこの経度に貫かれてはいるが、この辺りは山中で、東経142°47′29″の経線が太平洋とぶつかるのはとなりの浦河町の海岸線になるようだ。

 まあ『辺り』と付けておいたので、先の説明もまんざらデタラメではないようだ。とは言え当地がへき地であることは事実で、町内の学校にはすべて『へき地級』がついている。
 

情報格差だけはない

 
 へき地と都会には色々と格差があるが、インターネットの普及等によりこのうち『情報格差』だけはなくなった。いまだに『情報は都会に集まる』とか言って東京区部に事務所を構えたがる方も多いが、最速の通信手段が『飛脚』や『のろし』だった時代でもあるまいし…と思う。

 誤解・糾弾されても困るので補足するが、あくまで『情報の集中』を理由とする場合はだ。東京は人口も企業も多いので、それらに比例した事務所数が必要となるのは当然だ。

 それに都心の高層ビルの高層階で仕事をすれば、その方にとっては日本の情報社会の中枢に『陣取ってる』感はあるかもしれないので、それで本人が満足なら結構なことだ。

 実際の労働問題に関しても実感として、昨日東京で起きた問題が今日当町で起きても不思議でない状況にはある。働く方々にとっても情報格差はないのだ。
 

200回になりました

 
 2012年まで小学校の教員をしていたのも関わらずしゃべりが下手で、多少は書ける文書で、社労士の書ける範囲で給与計算の話でもしようと思い、2022年からBlogを始めた。

 おかげさまで200回目(初回は『プロローグ』としたので、正確には201回目)になり、毎回読んでくれる有難い読者もいるようだ。

 ネットでBlogについて色々検索すると、『収益化』・『アフェリエイト』等で『稼ぐための秘訣』のような情報ばかりが目に付く。ほぼ9割以上だ。それはそれでいいが、Blogを発信する人の9割以上がその辺を目的にしているとは到底思えない。
 

・ 書籍との違い

 
 情報を発信するなら『書籍刊行』という方法もある。出版してくれる出版社が現れない場合は自費出版という方策も考えられるが、そういった方法では到達範囲がごく限られる。

 その点ではWebの場合、興味のない方は最初から読まないだろうが、少しは興味がある方なら最低限、中身をザっと眺めてはくれる。そこで気に入ったらそれなりにちゃんと読んでくれるだろう。

 自分の意思だけではまず到達できない方のところまで情報が到達するというのはかなり凄いことだ。
 

・ 改訂は利点だが、けっこう大変

 
 あとWebの特性上、改訂が簡単なのも書籍との大きな違いだ。

 相当気を付けているつもりだが、公開した後に間違いが見つかった場合もすぐに訂正できる。ただこの場合、訂正前の文章を『出してしまった』という事実は消えないので、『いつ、どの箇所をどう訂正したか』はページの末尾に付けるようにしている。

 さらに多いのが、法改正でそれまで事実だった内容が間違いに『なってしまう』場合だ。

 最低賃金や保険料・労災保険や雇用保険の給付の基準等が毎年変わるのはやむを得ないとしても、労基法や社会保険関係の法律、それに税制も毎年どこかは改訂になるので、書いた記事を放ったらかしにしておくと迷惑をかける。

 書籍なら読む方もその辺は心得ているので、発行年月日を見て判断してもらえるが、Webではそういうことにはならない。

 これらの改訂も100記事くらいまでならたまに漠然と読み返すくらいで何とか対応できるが、200記事近くなると、自分なりにシステム化しないと対処できない。社労士の守備範囲にある法律は、特に改訂が多いのだ。

 具体的には、変更があり得る数値には元文書に印をつけておいて、1月・3月・4月・8月・10月といった各数値の変更時期にはその『印』を検索して変更する。もちろん数値の変更で済まない場合もあるので、その場合は文章ごと変更せざるを得ない。
 

・ 好きだからやる

 
 インターネット普及の功罪について問われれば、最近の公正選挙の妨害事象に見られるように否定的側面もかなり多いのではないかと個人的には考えるが、これはあくまで『使い方』の問題だろう。普通の個人が不特定多数の方に直接発信できるようになったというのは、功績そのものだ。

 アフェリエイトとかで収益化を目的に頑張っている方と勝負しても意味がない。収益無視でBlogをやっている人がそうした情報でやる気をなくすことは発信者にとっても、検索者にとっても、ひいては社会にとっても損失であると思う。

 完全に日記目的でBlogを書いている方は最初から気にしていないと思うが、少なくとも『情報発信』のためにBlogをやっている方なら検索順位や表示回数が多少なりとも気になるものだが、そうした情報に一喜一憂するのもよくない。

 とは言え当『給与の一策』はホームページ内Blogなので、当事務所のHPを多くの方に見てもらい、認知度を上げたいという下世話な思いがないわけではない。

 だがそれ以上に、生意気と言われるかもしれないが、社会保険労務士の認知度向上に一役買いたいという思いが強い。単純に筆者が、社会保険労務士という仕事が好きだからだ。

 というわけで、今年もよろしくお願いします。

 

2025年01月07日