₂₁₇.失業手当の給付が延長されることも



 『₂₁₂.4年まで延長も。失業手当の受給期限』は一般の離職者の受給期限が延長される場合だったが、今回は失業手当の給付そのものが延長される話。
 

公共職業訓練受給前後の延長給付

 
 ハローワークの指示した2年以内公共職業訓練等を受ける場合は、その公共職業訓練等を
 

 ① 受けるために待期している期間(最大90日)
 ② 受けている期間
 ③ 受け終わった後、一定の要件を満たす期間(最大30日間)
 

の『失業している日』については失業手当が支給される。最長で2年と120日近く、失業手当が給付される日数そのものが延長される可能性があるのだ。

 受講後の延長にあたる③の『一定の要件』とは、
 

  ⑴ 訓練受講最終日における支給残日数が29日以下であり、
  ⑵ 訓練を受け終わっても就職が相当程度に困難な者
 

について、29日を限度に、延長して失業手当を支給することになっているものだ。

 『支給残日数』とは、失業手当の所定給付日数のうち、まだ支給されていない日数のこと。『延長』というからには、職業訓練を受講する時点で失業手当が1日分は余っているはずなので、ギリギリ1日余っている方が29日延長されれば、受講後30日となる。
 

個別延長給付

 
 個別延長給付の対象はかなり限定的で、次のいずれかの方に限られる。
 

  ○ 倒産・解雇等による離職者(特定受給資格者
  ○ 希望に反して契約更新がなかったことによる離職者

 
 さらに、次のいずれかに該当していなければならない。
 

  就職困難者以外で、心身の状況が以下のいずれかに該当する方

   イ. 難治性疾患がある
   ロ. 発達障害がある(発達障害者支援法第2条該当者)
   ハ. 障害者雇用促進法第2条第1号に該当する障害者

  事業所が(政令で指定の)激甚災害にあったことによる離職者で、
    所定給付日数分の受給最終日に『指定地域』に住んでいる

  ②以外の、激甚災害による一定の離職者
 

 ここで、『就職困難者』は①の対象にはならないが、②に該当した場合は対象になる。
 

・ 『特に積極的な求職活動』が要件

 
 もう1つ、個別延長給付は『特に積極的に求職活動を行なっている方』が対象だ。これはどこで判定されるかというと、『求人への応募回数』となっている。

 具体的には失業手当支給最終日の前日までに、当初の所定給付日数が90日なら3回、120日なら4回…というように、所定給付日数30日について1回以上『求人への応募』をしていないと認められない。

 普通の失業認定のように応募以外も含めて『求職活動』の回数で認定されるものではないので注意が必要だ。

 もっとも『就職困難者』や激甚災害による離職者で、受給資格者証に『休』・『災』の表示がある方にはこの要件の適用はない。

 また、やむを得ない理由なく認定日に来所しない現実的でない求職条件に固執・正当な理由なくハローワークの紹介する職業・職業訓練・職業指導を拒否した場合も、求職活動が積極的でないということで、個別延長給付の対象ではなくなる。
 

・ 延長される日数

 
 というわけで、現在では個別延長給付を得るのは相当に狭き門・イバラの道となっていることは覚悟しておいた方がいい。その狭き門をくぐり抜けた場合は、所定給付日数が最大次のように延長される。
 

 ①・③に該当する方

    60日延長(所定が270日・330日の場合は30日)

 ②に該当する方

    120日延長(所定が270日・330日なら90日・就職困難者は60日)
 

地域延長給付

 
 地域延長給付は、
 

  ○ 倒産・解雇等離職者
  ○ 希望に反して契約更新がなかったことによる離職者(2027年3月まで)
 

について、
 

  ○ 省令で定める基準に照らして雇用機会が不足している指定地域に住み、
  ○ 再就職促進のため、職業指導を行うことが必要と認められた
 

場合(上の『個別延長給付』の対象者を除く)には、
 

  ○ 基本的には60日
  ○ 『算定基礎期間』(働いていた期間)が20年以上・59才以下の場合は30日
 

を限度として、延長して失業手当を支給するというものだ。
 

広域延長給付

 
 一定の範囲の雇用状況が悪化し、他の地域での就職を促進するしかない場合、広範囲における職業紹介活動(『広域職業紹介活動』)を行なう場合がある。

 この場合、広域職業紹介活動により職業のあっせんを受けることが適当と認定されたその地域の失業者について、

   90日を限度

として、受給期間が延長される。

 こうした措置が実施されるのは、その地域の一般離職者の失業手当初回受給率が全国平均の2倍以上になり、それが継続すると認められる場合となっている。
 

全国延長給付

 
 これは、上の『広域延長給付』の全国版だと思ってもらえばよい。この場合も

   90日を限度

として、受給期間が延長される。

 この延長の発動基準は、連続4ヶ月間の基本手当の受給率が4%を超え、低下する傾向がなく、その状態が継続すると認められる場合だ。ただ、残念ながらというべきか幸いにもというべきか、全国延長給付が発動された事例はない

 

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2025年03月11日