₂₁₈.教育訓練を受けるときの給付



 『教育訓練給付』は、働く人が主体的に自分の職業能力開発に取り組むことを支援して雇用の安定を図るというねらいから、雇用保険のワク内で支給されるものだ。
 

公共職業訓練との違い

 
 ここで出てきた教育訓練と、公共職業訓練(ここでは主に失業手当を受給していない方対象の『求職者支援訓練』も含める。)との違いが分かりにくい面もあるので、ここで簡単に触れておく。あくまでザックリとした話だ。
 

        公共職業訓練        教育訓練(給付金)

目的     職業能力の開発向上    主体的な能力開発等の支援

主な対象     求職者         在職者 or 離職1年以内

内容の選択  本人の希望等をもとに    受講者が主体的に判断
       ハローワークの指示等

訓練費用      無料              有料

主催者     国・都道府県      大学・地域や民間教育機関で
                    厚生労働大臣が指定したもの

期間      3ヶ月~2年           ~4年

 

・ 公共職業訓練は、ハローワークの指示や推薦が必要

 
 公共職業訓練は、希望する職業に就くために必要なスキル・知識を習得することを目的に、各自の経験・希望・実績をもとにハローワークの指示や推薦を受けて受講するものだ。

 また『公共職業訓練』の費用は基本的に無料(義務教育と違ってテキスト代はかかる)なので、受講料に対する『給付金』という話にはならない(強いて言えばすべて給付金)。
 

・ 教育訓練給付は、能力開発・キャリア形成の支援

 
 これに対して『教育訓練』は、働く方の主体的な能力開発やキャリア形成を支援するもの。そのうちその教育訓練期間が『厚生労働大臣の指定』を受けている場合、一定の要件を満たせば受講費用の一部を補助することになっている。これが『教育訓練給付』だ。

 教育訓練の主体は民間教育機関なので、給付金の対象となる『大臣の指定』を受けているものに限っても多種多様だ。

 受講しようとする方は、こうした多種多様な教育訓練内容・訓練機関の中から自分で主体的に選ぶことになる。
 

・ 教育訓練給付金は3種類に分かれる

 
 このように教育訓練は、その内容もレベルも期間も様々なので、教育訓練給付金もそれに応じて
 

  ○ 一般教育訓練     雇用の安定・就職の促進に資するもの

  ○ 特定一般教育訓練   速やかな再就職・早期のキャリア形成に資するもの

  ○ 専門実践教育訓練   中長期的なキャリア形成に資するもの
 

の3種類に分かれている。

 普通に考えると、一般 ➡ 特定 ➡ 専門 の順に内容が高度化するようにも思えるが、『一般』の中にも相当高度なものも含まれているので、一概にはそうは言えない。
 

対象者は、在職or離職・一般.季節.65才以上問わず

 
 教育訓練給付金の対象は、受講開始日
 

  ① 『支給要件期間』が初回1年以上*・2回目以降は3年以上の

  ② 在職者または離職後原則1年以内で、

  ③ 3年以内に教育訓練給付金を受けていない
 

方だ。初めて就職して1年以上*の方やその後離職して1年以内の方・前に同じ給付を受けた後3年以上勤めている方やその後離職して1年以内の方なら即対象になるので、以下2項は読み飛ばしてもらっていい。

*専門実践教育訓練は初回2年以上
 

・ 支給要件期間

 
 ここで何とかこのやっかいな言葉を使わずに説明したかったのだが、筆者の能力ではムリなので解説する。

 ①の『支給要件期間』とは、受講開始日以前に雇用保険の被保険者として働いていた次の期間だ。
 

  ○ 雇用保険(一般・季節・高年齢)に入っていた期間
  ○ 離職ー就職を繰り返していても、空白期間が1年以内なら通算
  ○ 2回目以降の受給の場合、前回の受給にかかる受講開始日より前は通算しない
 

・ 離職後20年は可能性あり

 
 ②の在職中の場合はともかく、『離職後1年以内』は離職翌日からカウントするので、たとえば3月31日退職の場合は、翌年3月31日受講開始ならセーフだが、その翌日4月1日になってしまうとアウトだ。

 このように『受講開始日』も結構重要なので気を付けた方がいい。具体的にはきちんと最初にその教育訓練機関に確認しておけば間違いない。

 あと、②で『原則』1年以内というのは、失業手当のように一定の事情があるときには例外的に延長が認められているからだが、教育訓練給付については失業手当の場合と比べると実に太っ腹で、その『1年以内』に

妊娠・出産・育児・疾病・負傷などにより教育訓練の受講が困難である期間が30日以上継続した場合

には、ハローワークに申し出ることにより、適用期間を最大19年延長できることになっている。

 もともとの期間が離職後1年以内なので、こうした事情で教育訓練を受けられない期間が19年以上あれば、当初の期間を加えて最大20年間有効というわけだ。
 

支給額は受講料の2~8割

 
 教育訓練給付の支給額は、受講した教育訓練の区分とその後の就職状況などにより、以下のように受講料の2~8割(上限あり)になる。ただし計算された支給額が4,000円以下の場合は支給されない。
 

教育訓練の種類・要件     支給額     上限

一般教育訓練       受講料の20%   10万円

特定一般教育訓練      ”   40%   20万円
資格取得・就職で      “  +10%     5万円

専門実践教育訓練      ”   50%   120万円(年間40万円)
資格取得・就職で      ”  +20%   16万円
給与5%増で         ”  +10%     8万円
 

 それぞれの教育訓練の手続等については、次回述べる。

 

2025年03月14日